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2020年11月24日
アジア・オセアニア
高炉のCO2削減国家プロジェクト、目標の10%超す見込み
  1. 日本製鉄など鉄鋼3社による国家技術開発プロジェクト「COURSE50(コース50)」で、試験高炉での水素還元による二酸化炭素(CO2)の排出量が、当面の削減目標である10%を超す見通しとなった。
  2. コークスの一部代替で、鉄鉱石の還元に使う水素の量を増やせば、さらに削減できるとみて政府に支援拡充を求めている。世界的に脱炭素の流れが進む中で、2030年度の実機第1号の稼働、将来の本格的な水素還元製鉄に向けて開発を加速しそうだ。製鉄の上流工程にあたる「高炉」では鉄鉱石中の酸素を取り除くため、石炭を蒸し焼きにしたコークスが使われるが、その反応過程でCO2が発生する。
  3. 高炉を使う鉄鋼3社は現在、石炭を蒸し焼きにしたコークスで鉄鉱石を還元している。熱源を含む製銑・製鋼工程が、国内産業界でも有数のCO2発生源となっており、各社はかねてCO2の削減に取り組んでいる。
  4. このうち水素還元の領域を日鉄の君津地区(千葉県君津市)に建てた容積12立方メートルの試験高炉で実証中。18年度に8%削減を達成したが、さらに現状では「10%を上回るCO2削減効果の感触が得られている。

 

  1. 今回、10%以上のCO2削減のめどがたったことで、21年度からはプロジェクトの目標値を引き上げる見通しだ。

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