(ブルームバーグ): 金価格がアジア時間3日午前に1オンス=4000ドルを下回った。中国が一部の小売業者に長年適用していた税優遇措置を廃止したためで、世界有数の貴金属市場で需要が減少する恐れがある。
金価格はアジア時間午前に一時1%下落した。中国財政省は1日、上海黄金交易所や上海先物取引所から購入した金を直接、または加工後に販売する際に、一部の小売業者はこれまで認められていた付加価値税(VAT)の控除が今後できなくなると発表した。
金は10月初旬に世界的な個人投資家の買い意欲に支えられて市場最高値をつけたが、月末2週間に急落した。ただ、調整後も年初来では依然として50%超の上昇となっており、中央銀行による購入や安全資産を求める投資家需要など、価格を押し上げてきた要因は残ると見込まれている。
ブリオンボルトの調査ディレクター、エイドリアン・アッシュ氏は「中国の金需要は今年の記録的な強気相場にほとんど寄与していないが、最大の金消費国における税制変更は世界的な投資心理を損なうだろう」と指摘。「先月の急騰後のさらなる調整を望むトレーダーや投資家にとって、このニュースは歓迎される可能性がある」とも述べた。
シンガポール時間午前9時10分(日本時間同10時10分)時点で、金スポット価格は0.5%安の1オンス=3984.43ドル。ブルームバーグ・ドル指数はほぼ横ばい。
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