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2022年12月22日
欧州
“ID.4”で話題の〈フォルクスワーゲン〉が目指す未来とは?

〈フォルクスワーゲン〉初のフル電動SUVとなる“ID.4”が日本でも発売され、現在大きな話題になっている。このクルマは、すでに2021年のワールド・カー・オブ・ザ・イヤーを獲得済み。広く静かな室内とクラストップレベルの荷室容量、さらに取り回しのよさでも日常使いにぴったりと、若いファミリー層を中心に高い支持を得そうなモデルである。とはいえ、ただ「電気自動車が売れればいい」と思っていないのが〈フォルクスワーゲン〉の懐の深さ。実際、電気自動車の開発とともに「Way to ZERO」のコンセプトを掲げ、よりよい未来のために、様々なチャレンジをし続けているのだ。

 

「Way to ZERO」とはなにかといえば、2050年までに完全にカーボンニュートラルな企業になることを目標とした、具体的なロードマップのこと。一番わかりやすい施策が電気自動車の導入なのだが、そのほかにも工場のサスティナブル化、クリーンエネルギーへの投資、原材料のリサイクルに対してもスピード感をもって推進。クリーンなクルマ作りに必要不可欠なものに対して、全方位的に取り組んでいる。

 

特に目覚ましいのが、やはりクルマの電動化だ。すでにフォルクスワーゲン グループは、電動車や自動運転、ソフトウエアといった将来の技術に2022~2026年の5年間で約13兆円の投資を発表しているが、そのうちの半数以上となる約7.5兆円をクルマの電動化に割り当てているのだから、その力の入れようは推して知るべし。ちなみにフォルクスワーゲン ブランドは、2033〜2035年までにヨーロッパ市場向け内燃エンジンモデルの生産終了を予定している。そのうえで、2030年までに電気自動車の販売比率をヨーロッパで70%以上にすることや、中国・米国ではそれを50%にすることを設定。その先には、2050年までに車両・生産すべての工程においてカーボンニュートラル達成を目指すという目標を掲げている。

 

もちろん電気自動車を普及させる以外に、それを生産する工場などに対しても、カーボンニュートラルに向けた取り組みに抜かりはない。2030年までに(※1)世界中の工場の電力供給を再生可能エネルギーにすることで、CO2排出量を減らすといった改革を着々と実行。また、電気自動車の充電用にグリーン電力を供給するため、ヨーロッパの様々な地域でパートナーシップを結び、風力や太陽光発電への投資を進めているといった具合。抜かりないといえば、リサイクルへの取り組みも然り。リチウム、ニッケル、マンガン、コバルトなどの貴重な原材料は中期的にしっかりと回収。アルミ、銅、プラスチックは90%以上のリサイクル率を見込むなど、循環型社会の実現に向けて、まさにお手本といえる取り組みをしているのは心強い。※1=中国を除く

 

そんな背景のもと、100%電動されたニューモデルの登場にワクワクする人も多いだろう。すでに2019年にID.3がヨーロッパで導入されているが、その後もID.4、ID.5、ID.6(中国専売モデル)とラインナップを拡大。そして今年は〈フォルクスワーゲン〉のアイコンモデルともいえるID.Buzzが導入され、着実にカーボンニュートラルに向けた電動化戦略が進んでいるようだ。

 

URL:  https://safarilounge.jp/online/cars/detail.php?id=12387&p=1