国内の金(ゴールド)価格が約2週間ぶりに最高値を更新した。指標となる地金商最大手の田中貴金属工業が7日発表した小売価格は前営業日比442円(2.6%)高い1グラム1万7189円だった。買い取り価格は同443円高の1万7020円だった。
国際指標となるニューヨーク先物(中心限月)も7日、前日比25.4ドル(0.7%)高い1トロイオンス3448.2ドルと史上初の3500ドル台を付けた4月22日以来の水準まで上昇する場面があった。
地政学リスクの高まりを背景に相対的に「安全資産」とされる金の需要が高まった。インド軍は7日、パキスタン領を攻撃した。パキスタン軍も報復に動き、地元メディアに「自衛のために敵機を5機撃墜した」と語った。6日にはイスラエル軍もイエメンの首都サヌアの空港などを空爆した。
米関税政策の不透明感も金相場の追い風になっている。トランプ米大統領は5日、2週間以内に医薬品への関税について発表すると述べた。マーケット・ストラテジィ・インスティチュートの亀井幸一郎代表は「このところ買い持ち高を減らしていた欧米のファンド勢の間でも買いが広がり、金相場を押し上げた」とみる。