金価格(ドル建て)は、LBMA金曜日価格で前週金曜日をわずかに上回りました。銀価格は4週ぶりに下落し、4週ぶりの安値を記録。プラチナも2週連続で下落し、2週ぶりの安値となりました。パラジウムは小幅ながら週間で上昇しました。
月間ベースでは、今週にかけて一部上げ幅を削ったものの、全体としては以下の通りです。ドル建ての金価格は、今月のドル高により上昇幅を縮小しましたが、他の主要通貨建てでは上昇を維持していました。
今週の貴金属市場は、本日の米雇用統計の悪化、トランプ政権による関税政策、対ロシアの地政学的リスクの高まりなどを背景に、安全資産としての需要から金が急騰しました。それに対し、工業用途での需要が高い銀、プラチナ、パラジウムは上昇が限定的でした。
また、工業用貴金属は、4月2日に発表されたトランプ政権の関税政策において、金地金には関税が課されないとされた一方で、金以外の貴金属が対象となるかどうか不透明な中、7月8日に銅に対して50%の関税が発表されたことから、同様の懸念が広がり価格が一時上昇していました。しかし今週水曜日、銅への関税の一部除外が発表されると、その懸念も後退し、上昇分を失いました。
本日の予想を下回る米雇用統計(詳細は後述)を受け、関税の悪影響が雇用にも表れ始めているとの見方から、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)による9月の利下げ観測が急速に高まりました。前日には4割弱だった利下げ確率が9割弱へと上昇し、年内に2回の利下げを見込む見方が強まりました。
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