ニュース

  • 欧州・アフリカ

欧州の電子廃棄物市場、リサイクル段階より「上流」での競争が激化

西欧の電子廃棄物リサイクル市場では、従来とは異なる競争構造が形成されつつある。フランス、ベルギー、オランダ、ドイツでは、すでにWEEEの回収制度やリサイクル設備が整備されている。しかし最近では、製品が廃棄物になる前の段階から資産を確保する企業が、より大きな価値を獲得する傾向が強まっている。

これまでの電子機器リサイクルでは、製品が廃棄された後、リサイクル業者が回収・処理する流れが一般的であった。

しかし現在では、リース会社、リユース・リファービッシュ企業、物流会社、ライフサイクル管理会社などが使用段階から製品に関与し、リサイクル業者に渡る前に資産を確保するケースが増えている。

フランス、ベルギー、オランダ、ドイツでは、金融契約、リユース市場、物流ネットワーク、

国境を越えた輸送、企業との既存の取引関係などが、使用済み電子機器の処理先を決める重要な要素になっている。

つまり、リサイクル設備を保有しているだけでは、安定した原料確保が難しくなっているということである。

特に注目されているのがデータセンター分野である。

クラウドやAI産業の成長により、フランス、ベルギー、オランダ、ドイツではデータセンターへの投資が拡大している。

パリ、ブリュッセル、アムステルダム、フランクフルトを結ぶ地域には、サーバー、ストレージ、ネットワーク機器、バッテリー、電力・冷却設備などが集中している。

これらの設備は将来的に更新時期を迎え、大量の中古・使用済み機器が市場に流入する可能性がある。

ただし、実際にどれだけの機器がリサイクル市場に流れるかは、残存価値、輸出規制、情報セキュリティ要件、部品需要などによって左右される。

また、EUの規制も市場構造に影響を与えるとみられている。

デジタル・プロダクト・パスポートなどの制度が導入されれば、製品の製造、使用、修理、再販売、廃棄までの情報を一元的に管理できるようになる可能性がある。

そのため今後は、製品そのものだけでなく、製品情報やライフサイクルデータを誰が管理するかも競争力になると考えられる。

欧州の電子廃棄物市場は、従来の「廃棄→回収→リサイクル」という構造から、製品がまだ使用されている段階から資産を確保し、リユース・リファービッシュ・リサイクルの行き先を決める「上流段階での競争」へと変化しているのである。
URL: https://resource-recycling.com/e-scrap/2026/08/05/europes-electronics-recovery-market-is-moving-upstream/?utm

お問い合わせ

都市鉱山ビジネスや貴金属リサイクルに関するご相談、お取引・パートナーシップのお問い合わせ、採用エントリーはこちらから受け付けております。