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2022年2月21日
アジア・オセアニア
製錬大手8社の4~12月期、全社経常増益。金属価格高が業績押し上げ通期も全社増益見通し

非鉄製錬大手8社の21年4~12月期連結決算が出そろった。全8社が増収および大幅な経常増益(黒字転換含む)となり、最終利益は7社が大幅な増益となった。銅や亜鉛などの非鉄金属価格の上昇に加え、円安影響や電子関連需要および自動車関連需要の増販などが業績を大きく押し上げた。通期予想も金属価格が高値圏を継続していることなどから全8社が経常増益を見込み、6社が最終増益と予想している。

 4~12月期の8社合計の経常利益は約5177億円(前年同期比3・8倍)、純利益は約4095億円(同4・4倍)と大きく増加。三菱マテリアルは銅などの金属価格の上昇に加え、半導体・自動車関連の需要が堅調に推移したため増益。JX金属は前年同期にチリのカセロネス銅鉱山で減損損失を計上していた反動に加え、銅・貴金属価格の上昇や機能材料・薄膜材料の増販などから営業損益が大幅に改善し、第3四半期で営業利益と純利益の通期予想を上回った。住友金属鉱山は銅やニッケル価格の上昇に加え、持分法投資損益の好転、材料事業の増販などから増益。

 三井金属は非鉄金属価格の上昇に加え、主要製品の増販、持分法投資損益の改善などから増益。DOWAホールディングスは自動車関連や情報通信関連の需要増や金属価格の上昇などから増益。古河機械金属は機械事業の増益に加え、銅価格の上昇や電子部門の増販などから経常増益となったが、前年同期に特別利益に投資有価証券売却益を計上していた反動などから最終減益。東邦亜鉛は金属価格の上昇やリサイクル原料の活用などによる増益効果、豪州鉱山の製造原価低減などから増益。日鉄鉱業は石灰石の増販と銅価格の上昇、円安影響などから増益。

 純利益の通期予想は、金属価格の上昇などを反映し、5社が上方修正した。住友金属鉱山は銅やニッケルなどの価格が前回予想を上回って推移していることに加え、円安影響などから前回予想比340億円の上方修正。過去最高だった2007年度の純利益1378億円を1千億円超上回る見通し。三井金属は金属価格の上振れや銅箔などの主要製品の販売が堅調に推移していることなどから同比40億円の上方修正。過去最高だった前期の448億円に近い利益水準となる見込み。DOWA・HDは持分法適用関連会社の業績を反映し、同比25億円の上方修正。過去最高だった14年度の265億円を大きく上回る見通し。

https://news.yahoo.co.jp/articles/9af909a44944ce48df5b0445645786a9a41c24e8