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銀価格の乱高下を受け、ドイツがユーロ記念コインの銀含有量を削減

ドイツ政府は、銀価格の激しい変動と投機的需要の拡大に対応するため、ユーロ記念コインに含まれる銀の含有量を削減する方針を決定した。この措置はドイツ財務省によって発表され、対象となるのは限定発行の35ユーロおよび50ユーロの記念コインである。政府は、記念コインが本来の記念目的を超えて貴金属投資商品として扱われる状況を抑制することを目的としている。

近年、銀価格は地政学的リスクや投資需要の増加を背景に大きく上昇した。特に2025年には個人投資家による購入拡大と現物市場の供給逼迫により価格が約147%上昇し、1トロイオンス121.6ドルの過去最高値を記録した。その後は市場調整やテクニカル売りにより約71ドルまで下落するなど、極めて高いボラティリティを示した。さらにイラン戦争などの国際情勢も貴金属価格に影響を与えた。

銀価格の急騰により、記念コインが収集目的ではなく投資・投機対象として利用される傾向が強まり、発行コストの上昇による国家予算への負担も懸念されるようになった。このため政府は金属構成を変更し、投機需要を抑えつつ安定的な発行体制を維持する判断を下した。

新しい35ユーロ記念コインでは銀含有量が約46%削減され、重量も18グラムから17グラムへと軽量化される。不足分は銅の比率を増やすことで補われる。この変更は、額面価値と記念的意義を維持しながら原材料コストの影響を抑えることを目的としている。

なお、記念コインは日常決済用ではなく文化・歴史的出来事を記念するためのものであり、2026年版はドイツの作家ヘルマン・ヘッセ生誕150周年を記念して発行される予定である。

今回の措置は、貴金属市場の価格変動が国家の貨幣政策や記念コイン設計にも影響を及ぼすことを示す事例として注目されている。

https://www.reuters.com/business/germany-cuts-silver-content-euro-collector-coins-prices-gyrate-2026-03-30/?ut_source

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