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廃棄モーターからレアアース抽出 運送・保管・検査を環境省が補助

環境省は2026年度からレアアース(希土類)の確保に向けてリサイクル支援に乗り出す。廃棄モーターなどに含まれるレアアースを取り出すために、運送網や保管施設、抽出後の検査設備の費用を補助する。国内にある資源を有効活用して、中国からの輸入依存軽減につなげる。

国内各地で捨てられた廃棄物が含むレアアース回収のために実証事業をする。リサイクルに必要な量を確保するため、各地から廃棄物を拠点までトラックで運ぶのに必要な経費、保管倉庫の設備に補助金を出す。実際に抽出したレアアースを再び製品に使えるかどうか、品質を確かめるための事業や設備の導入も後押しする。

環境省が26年度予算案で新たに60億円を盛り込んだ。開会中の特別国会で成立すれば、26年夏にも実証事業と補助を始める。実証事業と補助の対象は公募し、複数選ぶ見通しだ。

モーターに含まれている「ネオジム」という物質を念頭に置く。強力な磁石をつくるために必要な素材で、経済産業省によると中国が精製量で世界で9割以上のシェアを持つ。電気自動車(EV)や発電機、スマートフォンなど幅広い製品に欠かせない。

リサイクルすれば国内でのレアアース確保量が増える。現在はコストの高さがネックで廃棄モーターはそのまま海外に中古品として輸出されるか、電炉で溶かして鉄だけ抽出するケースが多い。国内では「ネオジムはほとんどリサイクルされていない」(環境省)という。

新たな支援を通じて施設整備が進めば、リサイクル業者がまとまった量のモーターを取り扱えるようになり、コスト抑制につながるとみる。

廃棄電子基板など「E―スクラップ」からのレアメタル(希少金属)回収も後押しする。日本はすでに欧州など海外からE―スクラップを輸入して国内でリサイクルしている。環境省は30年までにリサイクル処理量を20年比5割増の約50万トンまで増やす目標を掲げており、E―スクラップを港に荷揚げするための設備にも補助金を出す。

幅広い品目で欠かせないレアアースは、多くを中国からの輸入に頼っている。もし中国政府によって輸出を規制された場合、日本企業のサプライチェーン(供給網)が途切れて、生産活動に大きな影響が出るおそれがある。

高市早苗首相は20日の施政方針演説で、中国を念頭に「特定国に依存しないサプライチェーンの再構築」を掲げた。南鳥島周辺海域でのレアアース資源開発は、米国と協力していく方針だ。国内でのリサイクル進展は、中国に依存しないレアアース確保を進めていく上で利点がある。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA194Z40Z10C26A2000000/

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