台湾半導体工場 先端品を日本の競争力強化に
半導体受託製造の世界最大手「台湾積体電路製造(TSMC)」が、最先端に近い半導体を日本で作ることを決めた。
TSMCは、高性能な半導体は「門外不出」の技術だとして台湾でしか量産してこなかった。最先端品の2ナノ製品の生産は昨年、台湾で始まったばかりである。
日本でもデータセンター向けの需要が増えると想定し、今回、計画を変更したという。熟慮した上での決断だったのだろう。
製造業やIT産業などでは生成AIの活用が進む。その基盤となるデータセンターは膨大な計算能力を必要とし、3ナノ半導体は世界的に奪い合いとなっている。政府は最大1・2兆円をTSMCに助成することを決めている。計画変更で必要な資金は膨らむ。日本に優先的に半導体を供給する枠組みを前提に、リスクを精査して追加支援を検討してほしい。
日本の製造業やIT企業が半導体の買い手として、新たな製品やサービスを開発し、需要を支えていくことも大切になろう。
日本には、半導体の素材や製造装置などで有力企業が多い。先端半導体の生産拠点を国内に築ければ、確固としたサプライチェーン(供給網)が広がる。地域の雇用も増えるだろう。
地元では熊本大学などが半導体の専門人材の育成を図る取り組みを進めている。国などが積極的に後押しすることも必要だ。
一方、政府が全面支援する国産メーカー・ラピダスは、27年から北海道千歳市で2ナノ製品の量産を目指している。TSMCとラピダスが両輪となり、半導体産業の再興を図っていってもらいたい。
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20260212-GYT1T00483/
