EU監査院「欧州は2030年までに重要金属の確保が不足する可能性」
欧州連合(EU)が掲げている2030年までの重要金属確保目標について、達成が難しくなる可能性があるという指摘が出た。
EU監査院(ECA)が発表した報告書によると、EUは電気自動車バッテリー、半導体、再生可能エネルギー設備などに不可欠な重要金属の供給を依然として輸入に大きく依存している。特にリチウムやコバルト、希土類などの金属は特定の国への依存度が高く、供給リスクが残っている状況だ。
EUはこうした状況を改善するため、「Critical Raw Materials Act(重要原材料法)」を導入し、2030年までにEU域内での供給能力を高める目標を設定している。具体的には、EUの年間消費量のうち10%を域内で採掘し、40%を域内で加工し、さらに25%をリサイクルで賄うという計画だ。
しかし監査院は、これらの目標を達成するには現在の取り組みのスピードでは不十分だと指摘している。多くの採掘プロジェクトや精錬施設、リサイクル事業はまだ初期段階にあり、実際の生産開始までには長い時間がかかる可能性があるという。
さらに、許認可手続きの複雑さや投資不足も大きな課題だとされている。欧州では環境規制や行政手続きが長期化するケースが多く、プロジェクトの進行を遅らせる要因になっている。
EU監査院は、供給源の多様化やリサイクル産業の拡大、投資促進などを進めることで、EUの重要金属戦略をより強化する必要があると指摘している。
