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昆虫農場は世界の「タンパク質危機」を救うか

続々と誕生しつつある昆虫養殖企業の1つ、エンテッラ・フィードは、昆虫を加工して、魚や家禽のための飼料、さらにはペットフードまで生産する予定だ。肥育が完
了したミズアブの幼虫は、炙って乾燥させ、袋詰めにするか圧搾して脂肪分を抽出したうえで粉砕し、ローストピーナツのような香りのする茶色の粉にする。

まだ小規模ではあるが、成長しつつある昆虫養殖産業は注目を集めており、年商4000億ドル(約43兆円)規模の動物用飼料産業における複数の巨大企業から出
資を得るようになっている。たとえば、米アグリビジネス大手カーギル[CARG.UL]や、飼料や農場向け機械・サービスを提供するウイルバー・エリス、さらに
は穀物加工機械を製造するスイスに本拠を置くビューラーなどだ。

ファストフード大手マクドナルド<MCD.N>も、大豆タンパクへの依存度を減らすため、養鶏飼料としての昆虫活用を研究している。

グローバルな人口増加と中間層の拡大により、1人あたりの肉消費量は過去40年間で50%増大し、タンパク質危機の懸念が増大した。必須の主要栄養素であるタン
パク質の従来の供給源は、グローバルな気候変動と、条播作物農業と商業漁業が環境に与える影響が懸念されるなかで、ますます信頼性が低下している。

カーギルの動物栄養事業の戦略・テクノロジー部門を率いるベノイト・アンクティル氏は、新たなタンパク源の開発を「長期的な機会」と呼ぶ。

 

引用元:東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/218207